青史出版

幕末水戸藩と民衆運動
−尊王攘夷運動と世直し−

ばくまつみとはん と みんしゅううんどう

高橋 裕文 著 A5判 294頁

定価 9,350円(税込)
  
ISBN978-4-921145-30-9 C3021
2005年12月20日発行
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幕末維新期における水戸藩の改革、尊王攘夷運動とその下での民衆運動の展開と相互関係等を明らかにする。
水戸藩における尊王攘夷論の成立と藩政改革の展開、皮多集団の戦いや村方騒動の基底部分の分析、水戸藩内乱下の世直しやその後の那珂湊打ち毀しの実相等を、民衆運動に視点を置き追究する。著者渾身の意欲作。
  
【目次】
 第一部 「内憂外患」と幕末水戸藩改革
   第一章 イギリス船員の常陸大津浜上陸と尊王攘夷論の形成
   第二章 水戸藩改革と天保検地
 第二部 皮多集団のたたかいと幕末村方騒動の激化
   第一章 幕末の分離政策と皮多集団
   第二章 幕末における村方騒動の激化−西郡高部村、南郡鯉淵村の場合−
  第三部 幕末水戸藩内乱と世直し一揆、那珂湊打ち毀し
   第一章 幕末水戸藩内乱と世直し一揆
   第二章 慶応期の民衆運動と明治維新
 まとめと展望
 索 引



紹介記事

木戸田四郎氏…『茨城新聞』2006年4月20日

  
「……郷土史研究の注目すべき業績として一読を勧めたい。


長谷川伸三氏…『日本史研究』530(2006年10月)

 「……本書の達成点として、著者の長期にわたり広範な地域史料(現地の古文書)の採訪と分析をあげたい。それは各章のほぼ100をこす注に見ることができる。本書は、幕末水戸藩の動向をトータルにとらえ、さらに中央の政局と関連させた労作であるので、多くの方に読んで頂きたい。」


溝口敏麿氏…『日本歴史』709(2007年6月)

「……水戸藩といえば、水戸学や斉昭に関わって、尊皇攘夷の思想や運動などで注目されることが多いが、著者の調査・研究が結実された本書により、水戸藩領の皮多集団や民衆運動が、藩政や尊攘運動などと密接な関わりをもって、時代の大きな流れに即して展開していたことが具体的に示された。そこに本書の意義があると受け止めた

著者紹介 (たかはし・ひろぶみ)
  1948年 茨城県に生まれる
  1970年 國學院大學文学部史学科卒業
  1971年 茨城県立水戸ろう学校勤務
      茨城県立大子第一高等学校勤務を経て
  2008年 茨城県立東海高等学校教諭を定年退職
  2010年 茨城大学大学院文科学研究科文化構造専攻修士課程修了
  2017年 國學院大学大学院文学研究科史学専攻博士課程後期修了 博士(歴史学)
  現 在 茨城県那珂市史編纂専門委員、茨城県東海村文化財保護審議会専門委員

主要著書
『那珂郡農民一揆』上・下(1980年、筑波書林)、『民衆運動の〈近代〉』(共著、1994年、現代企画室)、『明治維新期の民衆運動』(共著、2003年、岩田書院)