青史出版

松浦党研究とその軌跡
まつらとうけんきゅうとそのきせき

瀬野精一郎著 A5判 330頁

定価 7,480円(税込)

ISBN978-4-921145-43-9 C3021
2010年12月10日発行
 
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    平安時代以降、肥前国(長崎・佐賀県)松浦地方に割拠した松浦一族等の弱小武士団は、
   多島海の立地を活かして、船を利用し、交易や、時には海賊的行為をもって威勢を振るった。
   「松浦党」という呼称は中央貴族等による蔑視的呼称と提唱する著者が、これまで発表して
   きた論考を集成する。厳密な史料批判による諸論考は、当該研究の基本となるものである。

  
〔主要目次〕
   T 松浦党の存在形態
     一 歴史概念としての「党的武士団」
     二 平安時代における松浦党の存在形態
     三 鎌倉時代における松浦党の存在形態
     四 松浦党の基盤と変質−肥前国宇野御厨−
     五 松浦党関係史料補遺
   U 松浦党研究の軌跡
    一 私の松浦党研究の軌跡
    二 私の松浦党研究の軌跡−批判と問題点−
    三 松浦党研究の諸論点
    四 私の松浦党研究
    五 多島海の暴れ者「松浦党」−海賊と鎌倉御家人の迫間に−
    六 平戸松浦氏千年の歴史
   V 「青方文書」の諸問題
    一 「青方文書」の刊行について
    二 鎌倉時代における渡唐船の遭難にみる得宗家貿易独占の一形態
    三 地頭代より地頭への書状
    四 「青方文書」正和四年六月二日鎮西探題裁許状案の復原
   松浦党関係年表/松浦党関係文献目録
  

     

      

      

 
長崎新聞(2011年2月21日)文化欄で紹介されました。
 
〔記事より…抜粋〕
 …半世紀にわたる研究成果をまとめた集大成だ。…本書は過去に発表した論文に加筆し、新稿を加えて構成。松浦党とは本来、中央貴族が使用した「松浦地方の住人」という意味の蔑称で、最初から小領主が団結連合した中世的武士団ではなかった、とする自説が展開される。松浦党に関する瀬野さんの研究の軌跡や、さまざまな学説と論争も紹介。…松浦党の歴史年表や文献目録もあり、研究資料として非常に役立つ内容だ。史料を自ら筆写し、後世に残す仕事を重んじてきた瀬野さんだけに、本書は意外にも「松浦党に関する私の最初で最後の研究書」という。(松尾潤)

   
     著者紹介 = せの・せいいちろう
               1931年  長崎県生まれ
               1957年  九州大学大学院文学研究科修士課程修了
                      東京大学史料編纂所助教授・早稲田大学文学部教授を経て
               現在、早稲田大学名誉教授 文学博士
        主要著書  『鎌倉幕府裁許状集』(上・下)、『鎮西御家人の研究』、『長崎県の歴史』、『南北朝遺文 九州編』(1〜7)、
                『松浦党関係史料集』(1〜3)、『歴史の残像−歴史家の見た戦前・戦中・戦後−』