青史出版

歴史を読み解く
 
−さまざまな史料と視角−

れきし を よみとく

 服部英雄著   四六判 232頁

 本体価格 2,381円+税


 ISBN978−4-921145-05-4 C1070
2003年11月28日発行
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   教科書や辞典に載っているようなことでも、
   時として疑問が続出することがある。
   そうした疑問や不自然さを突き詰めていくことが、
   新しい史実の発見につながる。
   限られた史料と状況証拠から構築せざるをえない
   歴史学の宿命を根底にした謎解きの実例を紹介し、
   歴史学の面白さを伝える。
   歴史像を見直し、問題提起をする論考9編。
 
   【目次より】
     1 文永十一年・冬の嵐
     2 カタアラシの語義と二毛作の起源
     3 久安四年、有明海にきた孔雀
     4 鹿ヶ谷事件と源頼朝
     5 南北朝内乱と家の交替
     6 風土と歴史−筑後川下流域のシオ(アオ)灌漑
     7 福岡城に天守閣はあったのか
     8 原城の戦いを考え直す−新視点からの新構図−
     9 殉死者たちの墓碑から−虚実はあざなえる縄−



 【永井路子氏・評】
  「鹿ヶ谷事件と源頼朝」には驚嘆しました。服部先生は「地名の大家」とばかり
 思っていましたが、この本は衝撃の1冊です。
 
             *   *   *

 【読売新聞読書欄】今週の赤マル (2004.1/25)より
   『二千人が七百の村で聞き取った二万の地名、しこ名』(花書院)。タイトルを
 聞いただけで、気の遠くなるような仕事をやり遂げた歴史学者による、歴史学の
 手引である。手引と言っても、ノウハウを語っているのではない。
 例えば、天草四郎が立てこもった原城跡に立って、島原の乱を幕府・オランダ
 対キリシタン・ポルトガルの宗教戦争と読み解く。森鴎外の小説「阿部一族」で
 有名な熊本市・妙解寺に殉死者の墓を訪ねては、阿部弥一右衛門らの切腹の
 真相に迫る。
   九つのテーマについて、定説・通説に疑義を呈し、自説を展開しているが、
 その実証の過程が格好の手引なのだ。多くが「現場」で感じたささいな疑問や
 感覚から出発していることも興味深い。現代の風景から、風化の激しい過去の
 痕跡を読みとる歴史家の想像力には舌を巻く。現場に取材して事実を認定する
 作業は、記者と同じ。耳が痛かったが、現代こそ歴史の宝庫なのだと知ったこ
 とも収穫だった。 (片)
 

 【その他】
  『史学雑誌』第113編第6号(2004年6月)…高橋典幸氏

  服部英雄 = はっとり・ひでお
           1949年 愛知県名古屋市生まれ
           1976年 東京大学大学院修士課程修了
            文化庁文化財保護部記念物課文化財調査官を経て、
           現在、九州大学大学院比較社会文化研究院教授