青史出版


照千一隅論攷
―伝教大師最澄の真意を問う―

しょうせんいちぐうろんこう

木村周照編著 A5判 350頁

定価 7,700円(税込)
  
ISBN978-4-921145-16-3 C3015
2002年11月30日発行

   トップページへ
   既刊書一覧へ
   新刊書・刊行予定書目へ
   ご注文・お問い合わせへ






 「一隅を照らす」。
 天台宗布教の標語にもなり永らく人口に膾炙していた言葉が、実は伝教大師最澄の遺文中には「照千一隅」とあることに初めて注目。原典通りに訓むことを提唱した。以来、幾多の論争が闘わされてきたが、著者がこの論争の過程に著した関係論考を一書にまとめる。あわせて著者の主張に賛意を示す大久保良順氏らの論考も付載し、改めて宗祖の言葉が正しく伝えられることを説く。

    
 【目次より】 
  第一部 照千一隅か照于一隅か
   1 照于一隅か照千一隅か―一末徒の素朴な疑念―
    2 照千の一隅 此れ則ち国宝なり
      ―「照于一隅か照千一隅か」再論―
     【付編】照千一隅…………………………………
勧学 二宮 守人
    3 現代天台宗布教における問題点
      ―特に「一隅を照らす」について―
    4 照于一隅説に関する疑問―福井博士のご所見を中心として―
    5  『やはり「一隅を照らす」が正しい』は果して正しいか
      ―野口教授への回答に寄せて―
    6 照千・照于論諍の問題点
    7 「照千一隅」の論拠私見―天台末徒の立場より―
    8 山家学生式私釈―宗団布教との関わりにおいて―
    9 照于一隅考―教学は布教に追随すべきものか―
   10 宗祖における国宝の意義―その時代背景の一端にさぐる―
   11 川勝賢亮博士『「照于一隅」の新研究』に対する私見
  第二部 論争の周辺
    1  「千里を照らす」が正しい―中国仏教協会の回答をめぐって―
    2 照千一隅私論―牛場先生へのお答えに代えて―
    3 照千一隅と超八醍醐―日本思想大系「最澄」を読みて―
    4 一天台末徒の「照千一隅」論
    5 福井康順博士の「照于一隅説」についての駁議
    6 「照千一隅」余録
     ―完全覆刻「天台法華宗年分縁起」の紹介をかねて―
    7 理念の統一が必要―「一隅運動」に寄せる―
     【付編】福井康順氏の指摘する最澄の誤字について…
西福寺相馬観舜
  第三部 研究余録 〔細目略〕
  第四部 布教余滴 〔細目略〕
  付 編 文化講座 一隅を照らす ……
前妙法院門跡門主大久保 良順
   付  「一隅を照らす」は最澄の言葉ではない